
鍼治療をやらない方がいい人は?|町田の鍼灸院より

「肩こりも頭痛も、もう慢性化してきた気がする。でも、鍼はちょっと怖くて……」
デスクの上の鎮痛薬が、いつのまにか定番品になっていませんか?
「そろそろ薬に頼りすぎかも」と思いながらも、鍼灸院の前で足が止まってしまう方も少なくありません。
そのためらいの理由を聞くと「持病があるから、自分は受けられないかもしれない」「薬を飲んでいることを言ったら断られそう」があります。
でも、ほとんどの場合、あなたは鍼を受けられます。
「やらない方がいい人」とされているケースは2種類あり、「体質としてやらない方がいい」と「その日だけ気をつければいい」そして、やらない方がいい人は、あなたが思っているよりずっと限定的です。
この記事では、その2つをはっきり分けたうえで、
「以前は鍼治療を避けた方がいいと言われていたけれど、条件が整えば受けられる」という、意外とアップデートされていない、2026年時点での最新の考え方もあわせて紹介します。
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鍼治療をやらない方がいい人は?
「鍼治療をやらない方がいい人」と一口に言っても、性質の違う2つのグループがあります。
| 身体の状態 | 該当するもの | 考え方 |
|---|---|---|
| ①体質としてやらない方がいい | 体質や持病として続くもの(皮膚の状態、持病、体質など) | 「まったく受けられない」でなく施術のやり方などで対応可能な場合 |
| ②一時的に避けた方がよい | その日の体調、服用中の薬の調整時期など | 状態が落ち着けば受けられます。いったん見送るだけ |
この2つはごちゃ混ぜになって表示されたり、言われやすいようです
これを混同していると「結局のところ、受けていいのかわからない」と、なってしまいます
まずは全体像を、次の2つの見出しでそれぞれ詳しくご説明します。
なぜ、やらない方がいいの?
「なぜ、こんなときは避けたほうがいいの?」という理由を、すこしだけお話しします。
鍼治療は、髪の毛程度の細い鍼で身体にごく小さな刺激を加える施術です。
普段ならば、その刺激を身体が良いように受け入れてくれますが、
身体が「いま手一杯精一杯」のときは、刺激が負担になることがあります。
たとえば発熱時は、身体がウイルスなどと戦っている最中です。飲酒後は血流や感覚がいつもと違います。
こんな時は、少し身体が落ちついてから鍼灸を受けたほうが良いです
①体質として続いている(体質・持病として続くもの)
こちらは「その日だけ」ではなく、これからも続く性質のものです。ただし「鍼が一切できない」という意味ではなく、刺す場所や鍼の種類を変えることで対応を考える項目がほとんどです。
- 肌に感染・けが・やけどがある部位(とびひ、ケガの傷、熱傷(やけど)など):その場所への刺鍼は避けます。別の部位への施術は可能です。
- 重い精神疾患がある方(精神病症状がみられる場合):強い刺激が負担になることがあるため、主治医と相談しながら慎重に判断します。
- 極度の金属アレルギーがある方:鍼の材質によっては反応が出ることがあります。当院ではステンレス製の鍼を使用しています。
- 鍼に対する強い恐怖感がある方:無理をすると精神的な負担になります。「痛みが怖い」というお気持ちも、大切な情報として扱います。
あと、皮内鍼(留置針)を使うのを避けるのが推奨されている場合
- 弁膜症
- 血液を介して感染する病気(B型/C型肝炎、HIVなど)
- ケロイド体質
- 免疫機能が低下している状態
※皮内鍼(留置鍼)とは、鍼を数日間そのまま体内に残しておくタイプの鍼です。
② 一時的に避けた方がよい(落ち着けば受けられます)
こちらは、下記に当てはまっても状態が戻れば受けられます。
- 発熱があるとき(風邪やインフルエンザなど、急性の感染症のとき)
- 飲酒した直後
- 極度の疲労・寝不足が続いているとき
- 極度の空腹・満腹時(脳貧血(立ちくらみ)や気分不良を起こしやすくなります)
- 血液をサラサラにする薬を飲み始めたばかり、または量の調整中で、血液の状態が安定していない時期
- 血小板が著しく少なくなっている状態(特にがん治療中の方は、主治医の先生と連携したうえで判断が必要です)
- 妊娠中:期間中の配慮に加え、おなかや腰まわり、また子宮に作用するとされる特定の経穴(ツボ)を避けるなどの対応が必要です
「やらない方がいい」と言われるけれど、実は受けられることが多いもの
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
以前は「禁忌」とされていた項目のなかにも、条件が整っていれば問題なく受けられることが、近年の研究でわかってきました。
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している方
施術時の軽度のあざ・出血はごくわずか(1万本あたり8.31件程度)、重大な出血はさらに稀(10万本あたり4.26件程度)と報告されています PubMed ScienceDirect。軽度の出血リスクはわずかに上がるものの、重大な出血でははっきりした差はなかったという報告もあります。お薬を飲み続けながら、血液の状態が安定していれば施術は可能、というのが現在の考え方です。 - ペースメーカーを入れている方
鍼そのものは受けられます。ただし鍼に電気を流す鍼通電は、機器への影響を避けるため行いません。 - 妊娠中の方
一律に避けるものではなく、上記のツボや腹部を避けた施術であれば、一般に安全とされています。韓国の大規模な調査でも、鍼治療を受けた群と受けなかった群で、早産や死産の割合に大きな差はみられなかったと報告されています BJOG。 - 血友病などの出血性疾患がある方
細い鍼を使う、浅く刺す、出血しやすい部位を避けるといった工夫により、痛みへの対応の選択肢として実施可能とする報告があります Haemophilia。ただし動脈瘤など、血流や血圧の変化が危険な持病については、個別に慎重な判断が必要です。
「当てはまる→あきらめる」ではなく、「当てはまる→やり方を工夫する」。これが現時点の私の考え方です。
鍼を受ける前に、わたしへ伝えてほしいこと
「こんなこと、聞くまでもないかな」「言いづらいな」と思うことほど、ぜひ私に伝えてください。
小さなことでも、言いづらいことほど、お伝えいただけるとうれしいです。
- いま服用している薬(処方薬・市販薬の両方。特に血液をサラサラにする薬、痛み止め)
- 痛み止め(鎮痛薬)の使用頻度や回数「どれくらいの頻度で飲んでいるか」は、お身体の状態を知る大切な手がかりになります。ありのままを教えてください
- 妊娠の可能性、持病(持続している病気)、手術の経験、アレルギー
- 過去に鍼やマッサージを受けて気分が悪くなった経験
- 施術当日の体調(寝不足、飲酒、空腹など)
「薬のことを言うと断られるかも」と心配される方もいますが、実際はその逆です。
情報が多いほど、安全にあなたに合った施術の計画を立てられます。
鍼灸で起こることがある反応について
「施術後、なんだかだるい」「鍼を刺したところにあざができた」こんな話を聞く時があります。
外からの刺激(鍼灸+マッサージの刺激)に対して身体が反応している証拠です
外から身体を動かしてあげる(使っていなかったところを動かすと疲れる)ような感じです
- だるさ・眠気:身体が深くリラックスしたときに現れることがあります
- 内出血(あざ):鍼を刺した場所に小さなあざができることがあります。多くの場合、数日で自然に消えていきます
- 筋肉痛のような痛み・違和感
- 微熱・ほてり、ぼんやりした感じ
これらは個人差が大きく、何も感じない方がほとんどです。「反応が起きた=問題があった」では無いので心配しすぎることはありません。
不安な場合はどうすればいい?
もし施術後に「なんだか変だな」と感じたら、どうぞ一人で判断せず、まずは当院までお知らせください。「こんな小さなこと、聞いていいのかな」と思うことほど、遠慮なく。
- 施術中に気になることがあれば → その場でどうぞ。鍼はいつでも調整・中止できます
- 施術後、翌日以降に気になる症状があれば → 当院へご連絡ください
- 痛みが強い、腫れが続くなど明らかに体調が心配なときは → 迷わず医療機関を受診してください
最後に、もう一度だけ。
当院では、施術前に身体の状態を確認し、不安なことや気になることを伺ったうえで、施術内容と進め方を決めています。「鍼はまだちょっと怖い」という方も、まずはお話だけでも聞きにいらしてください。あなたのペースで、無理のないかたちから始められます。
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